「アスレティックトレーナーズルーム BASE」代表の須川 雄介(すかわ ゆうすけ)
です。
このブログでは、スポーツ現場で選手のコンディションを総合的にサポートする
”アスレティックトレーナー”が、
アスリートや運動愛好家、またそのご家族や指導者の方々に役立つ情報を発信していきます!
第20回は、
「野球肩」ってなに?
について解説していきます❕
「野球肩」といっても…
野球選手の中で、最も多くケガに悩まされることが多いのはやはり
肩・肘 ではないでしょうか?
自分は幸いにもあまり経験が無いのですが、トレーナーとして野球の現場を見ているとやはりかなりの頻度で出会いますし、プレーとしても非常に制限されてしまいます。
さて、こんな状態で病院や治療院に行くと
あ~、「野球肩」だね。しばらく投げるの止めようか
なんて言われますが、そもそも「野球肩」って何なのでしょうか?
実は、野球肩の定義は
ボールを投げる動作によって起こる肩関節周囲の痛みの”総称”
つまり、痛んでいるのが
関節でも…
骨でも…
筋肉でも…
ひとまとめに「野球肩」と言われてしまうわけです。
しかし痛んでいる場所が違うということは、
・何を治療すればいいのか?
(関節・筋肉・骨 など)
・どう治療すればいいのか?
(手術・筋力トレーニング・柔軟性改善・フォーム修正 など)
・投げていいのか、ダメなのか?ダメならどれくらいの期間なのか?
という事をそれぞれの症状や状態に合わせて対応していかなければならないわけです。
これがあいまいなまま治療やトレーニング・ストレッチなどをしても
中々症状が改善しなかったりパフォーマンスが低下したままになってしまいます。
じゃあどんなものがあるの?
主なものを問題になっている部位ごとにまとめてみました。
<関節に問題が起きている野球肩>
・インピンジメント症候群
・肩峰下滑液包炎
・SLAP(上方関節唇)損傷
<骨に問題が起きている野球肩>
・インピンジメント症候群
・リトルリーガーズショルダー(上腕骨近位骨端線離開)
<筋肉に問題が起きている野球肩>
・腱板(ローテーターカフ)損傷
・上腕二頭筋長頭腱炎
ひとくちに「野球肩」といっても、これだけの種類があります。
まとめ
聞いたことがあるもの、そうでないもの色々あると思います。
これだけの種類があると、
「野球肩」に対する治療やリハビリ・予防策が1つに限らない
のは分かっていただけるでしょうか?
そのため、投げていて肩が痛くなった時に
とりあえず休んでいればそのうち治るでしょ!
といって放置すると、
思わぬ重症なケガが隠れて
いたり、
間違ったアプローチを続けていつまで経っても痛いまま
という事もあり得ます。
きちんと整形外科で診断を受けたうえで、
治療家やトレーナーなど専門家にアドバイスをもらいましょう!