トレーニングを「やらないと」どうなる?③練習してもうまくならない

こんにちは!
アスレティックトレーナーズルーム BASE代表の
須川 雄介(すかわ ゆうすけ)です。

このブログでは、スポーツ現場で
アスリートのコンディション作りをサポートする専門家
”アスレティックトレーナー”が、
アスリートや運動愛好家、また
そのご家族や指導者の方々に役立つ情報を
発信していきます!

第51回も
なぜ競技の練習だけでなく
トレーニングも
頑張らなければならないのか?
について

目次

トレーニングを
「やるメリット」は
よく語られますが…

前々回からシリーズで
トレーニングを「やらない」
ことによるデメリット

について解説しています


何となくトレーニングをやった方がいい
ということは皆さん感じていると思いますが、

・どうやればいいのか
 よく分かんないし…


・大変そうだし…


・時間も器具もないし…


・やらなくても
 今結果出てるし…

と言っておそろかにしていませんか?

ここで
「トレーニングをすると
こんなメリットがありますよ!」

と説明されることが多いと思いますが…

今回も視点を変えて、
トレーニングを「やらないと
どんなデメリットがあるのか?」
について考えてみたいと思います

トレーニングを「やらないデメリット」

③練習してもうまくならない

練習をたくさんやれば
上手くなるに
決まってるじゃないか!


練習に意味がないって
言うのか!?

とお叱りを受けそうなタイトルです

ただ一度考えてみて欲しいのですが、

競技の練習を繰り返すだけで
上達するのなら、
子供の頃からずっと競技を続けていて
何千回・何万回とその動きをしている人は全員もれなく
プロやオリンピック選手並みの
パフォーマンスを発揮できるように
なっているはずでは?

もちろん生まれつきの運動センスの差などが
あることは否定しませんが、
本当にそれだけで片付けてしまって
いいのでしょうか?

ここから自分の考えをまとめてみたいと思います

自分の身体能力以上の
パフォーマンスは出来ない

分かりやすく今話題の大谷翔平選手で
例えてみましょう
大谷選手の身体能力を100とした時に
(何をもって100とするんだという
細かい話はいったん置いておきます)

身体能力20、30
小学生が

大谷選手のフォームを
完璧にマネできたとしても
140mのホームランを打ったり
160km/hのストレートを
投げられるでしょうか?


答えはNOですよね
なぜか?

どれだけフォームの見た目をマネしても、
20・30の力のままでは
大谷選手が
140mのホームランを打つために出している
100の力のスイングスピード
160km/hストレートを投げる時の
ボールに伝える100のパワーを
再現できない
からです

そもそも「100%の力」は発揮できない

よくスポーツでは
「100%の力を出し切る!」
なんて言われますが、
本当に100%の力を出してしまうと
筋肉や関節が壊れてしまう
ので
自分では全力のつもりでも
脳がわざと70~80%くらいに
出す力を制限しています

しかし同じ80%でも、
100の力の大谷選手の80%80 と
  20の力の小学生の80% 16 
では
全然違いますよね?

競技の練習は
「出来るだけMAXに近いパフォーマンスを
出せるように」するための練習

もちろん、競技の練習を
たくさんやることによっても
多少の身体能力の向上は見込めます

しかしこちらの記事でも解説したように

練習だけで身体能力を高めようとすると

ケガのリスクが高くなる

体力が大きく伸びるのは
体力レベルが低い・
動きに慣れていない間だけ

必要なだけ体力がつくまでには
時間がかかって効率が悪い

というデメリットがあります

そこでこれはあくまでも私の考え方ですが、
競技練習の目的の一つは

無意識にでも出来るようになるまで
良い動きやフォームを
身体に染み込ませる

調子の良し悪しに関わらず
安定して自分のMAXに近い
良いパフォーマンスを
発揮できるようにする

ことだと思っています

つまり20・30の力の人が
競技の練習を頑張ることで

試合や本番で出来るだけ20・30に近い
パフォーマンスを発揮できるようになる

ことはあっても

急に50や100のパフォーマンスが
出来るようになるわけではない

ということです

まとめ

つまり
身体能力のMAX値を上げないと
スポーツは上達しない・
パフォーマンスが上がりません

もちろんトレーニングだけやって
身体能力を高める取り組みだけ
していればいいのかというと
そういうことでもありませんし、

(トレーニングだけで
スポーツが上達するのであれば
ボディビルなど身体を鍛えている人は
どのスポーツでも
無双できることになりますが
そんなことはありませんよね)

またトレーニングは
1回2回で急に体力がつくわけではなく
日々の積み重ねで少しずつ
変わっていくものなので
今すぐ大谷選手の100の身体能力を目指せ!
と言っているわけでもありません

大事なのは

体力トレーニング
によって
自分の身体が発揮できる能力の
MAX値を上げる

(筋力・持久力・瞬発力・スピード etc…)

競技練習によって
競技の動きの中でも出来るだけ
MAXに近い能力を自然に安定して

発揮できるようにするために、
無意識にでも出来るまで
良い動きやフォームを
身体に染み込ませる

という流れを繰り返すことです

特に

自分なりに一生懸命
練習を頑張っているのに
思うように上達しない…


他の人より身体能力は高いのに
なかなか競技のパフォーマンスに
繋がらない…

という人はこういった
練習とトレーニングのバランス

取り組み方
課題があるかもしれません

このオフシーズンを機会に
ぜひ一度見直してみましょう!

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この記事を書いた人

岩手県出身/
「トップアスリートの当たり前」を「みんなの当たり前」に
スポーツ科学を基に、ケガ予防・コンディション作りのための知識からエクササイズまで発信します❗

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