野球なら野球、サッカーならサッカーの練習を頑張るだけじゃダメなの?

こんにちは!
アスレティックトレーナーズルーム BASE代表の
須川 雄介(すかわ ゆうすけ)です。

このブログでは、スポーツ現場で
アスリートのコンディション作りをサポートする専門家
”アスレティックトレーナー”が、
アスリートや運動愛好家、また
そのご家族や指導者の方々に役立つ情報を
発信していきます!

第48回からは
なぜ競技の練習だけでなく
トレーニングも
頑張らなければならないのか?
について

目次

冬といえば
トレーニングの時期ですが…

特に屋外スポーツでは
大きな大会や試合がひと段落して
これから来シーズンに向けた
身体づくり・トレーニング
重点的に取り組む・指導する方も
多いと思います

しかし大事だということは
何となく分かっていても
なぜ頑張らなければならないのか?
きちんと説明できますか?

「野球の練習頑張ってやってれば
トレーニングなんていらなくない?」

これは須川が
大学の準硬式野球部でトレーナーをしていた時に実際に選手から言われた言葉です

※この写真の選手に言われたわけではありません(笑)

この時
「トレーニングをやるのは当たり前」と
思い込んで深く考えたことがなかった私は
選手が納得するような答えを
伝えられませんでした…

実は内心そう思ってる…

という人も中にはいるのではないでしょうか?

取り組む理由や目的があいまいなまま、

とにかく大事だから
一生懸命にやりなさい!

といっても
なかなか頑張り続けられないものです

そこで今回は、
それから様々な勉強をしたり
色々なスポーツの現場を見て得た
自分なりの考えをお伝えしようと思います。

アスリートの皆さんは
オフシーズンのトレーニングの
モチベーションを高めるため
に、

指導者・保護者の皆さんは
自分のお子さんや指導している選手に
より納得して頑張ってもらえる
ように、
ぜひ自分なりの答えも
一緒に考えてみてください!

競技練習だけではダメな理由

①ケガをしやすくなってしまう

確かにその競技で実際に行われる動きを
たくさん繰り返せば
その動きに必要な筋肉や体力を使うので
わざわざトレーニングをしなくても

必要な体力は身につきそうに思えます

しかし同じ動きをずっと繰り返す
ということは
身体の同じ部分に
ずっと負担が掛かり続ける
ということでもあります

人間の筋肉や骨・関節の耐久力には
限度がある
ので、
同じ部分にずっと負担が掛かり続けると

ある日限界を迎えて
大きなケガに

繋がってしまう
可能性が高くなります

(これを専門用語では
”オーバーユース”といいます)

そのため出来るだけケガのリスクを減らしながら
体力をつける・競技を上達させるためには
同じ部分を鍛える目的でも、
色々な種類の動き・負荷の掛け方で
身体にかかる負担を分散させる
ことが
重要になります

競技のための反復練習が
全くダメというわけではありません

むしろ良い動きやスキルを
身に着けるためにはある程度
回数をたくさんこなすことも必要です。

しかし体力トレーニングまで
その中でやろうとしてしまう

やりすぎになってしまうケースが多いので注意が必要です

②身体を鍛えるには効率が悪い

確かに競技の練習によって
全く体力が向上しないわけではありません

特に体力レベルの低い・
動きに慣れていないうちは
競技の動きそのものが大きな負荷になるので
体力が向上したり
身体が大きくなることもあり得ます

しかしその上がり幅は非常に少なく、
体力がついてきたり動きに慣れてくると
ほとんど変わらなくなってしまいます

競技の練習だけで
体力も大きく向上するのであれば、
子供の頃からずっと競技を続けている人は
みんなプロやオリンピック選手並みのに

なっていないとおかしいですよね?

体力や身体を成長させるための考え方として、
過負荷の原理というものがあります

つまりいつもの競技練習をずっと続けていても
負荷に慣れてしまって
身体や体力の成長は

しづらくなってしまう

それでも身体が大きくなる・体力がつくまで
やろうと思うと
途方もない時間と量が
必要になってしまいます

プロやトップアスリートであればともかく、
一般の我々が練習やトレーニングに使える
時間は限られているので
どうしても限界がありますし
①で紹介したようにケガのリスクも高まります

一方適切なトレーニングを行えば、
それぞれの状態に合わせて
負荷を少しずつ増やしていくことで

短い時間で効率よく
身体や体力を成長させることができます

まとめ

もちろん中には
今ほとんどトレーニングをしていなくても
ケガなく素晴らしいパフォーマンスを
発揮している人もいると思います

またキツいトレーニングをやったからといって
必ず成果につながるとは限りません
それぞれの身体や競技に合った
「適切な」トレーニングでなければ
効果には繋がりません

ただ意地悪な言い方をすると

今でも素晴らしいパフォーマンスだけど
適切なトレーニングをやっていたら
もっとすごくなっていたかも…

というケースや、

また今はパワーやスピードがまだないので
たくさんやってもケガしていない
だけで

身体や体力が成長して
動きの負担が増えた時に
大きなケガに繋がってしまう

という可能性も大いにあり得ます

なかなかアスリートに実感としてもらうのが
難しい考え方ではありますが、
訳も分からず
キツいトレーニングをやらされるよりは
こういった理由や目的を頭に置いて
歯を食いしばって取り組む方が
まだ頑張れるのではないでしょうか?

次回はさらに、
「トレーニングをやらないと
どんなデメリットがあるか?」
について
解説していきます

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この記事を書いた人

岩手県出身/
「トップアスリートの当たり前」を「みんなの当たり前」に
スポーツ科学を基に、ケガ予防・コンディション作りのための知識からエクササイズまで発信します❗

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