クールダウンの実際~帰宅後編~

「アスレティックトレーナーズルーム BASE」代表の須川 雄介(すかわ ゆうすけ)
です。
このブログでは、スポーツ現場で選手のコンディションを総合的にサポートする
”アスレティックトレーナー”が、アスリートや運動愛好家、またそのご家族や指導者の方々に役立つ情報を発信していきます!

第14回は、引き続き
実際どのようにクールダウンすればいいの?
について解説します!

目次

はじめに

前回・前々回の記事で
運動直後に身体をどのような状態に持っていくべきなのか?
について解説しましたが、

次の練習・試合に向けたコンディショニングはその後もまだやるべきことがあります。
特に練習や試合の後はあまり長くクールダウンの時間を取れない場合も多いのではないでしょうか?
その時に「時間が無かったから…」で終わらせるのではなく、
少しでも早く回復できるようにやれることをやりましょう❕
きちんと運動後のクールダウンを行えた場合も、そこで行った
身体を回復モードにする準備
を活かして実際のリカバリーに繋げていきましょう❕

帰宅後編

入浴(交代浴・冷水浴)

皆さん風呂に入る時は湯船に浸かりますか?
      それともシャワーで済ませますか?
リカバリーに関しては、シャワーでも一定の効果が認められてはいますが、

自分は
湯船にしっかり浸かる
ことを推奨しています

水の中に浸かることで、
浮力による筋・関節の負担軽減 水圧による血流改善・疲労回復 

さらに水温により、 
腫れや炎症の軽減 筋肉痛など痛みの軽減 体温の調節 血流改善
が見込めるためです。

これらの効果を出すための方法として冷水浴・交代浴が挙げられますが、目的によって

疲労回復・
パフォーマンス維持

交代浴
38℃程度の温浴1分

18℃程度の例浴1分
×6~7セット

筋損傷や痛みを伴う
激しい運動

(例:ラグビー   
   アメフト
   格闘技 など)

冷水浴
15℃程度の冷水に
15~20分前後

というように使い分けると良いようです。

軽めのストレッチ・補強トレーニング

これは運動直後にもやっていますが、時間が十分に取れていない場合もあるので再度しっかり行いましょう❕
また運動直後は興奮状態で自覚のなかった痛みや違和感・筋緊張などが、
  時間が経ってから出てくる場合もあります。

しっかりアプローチしておきましょう。


特に入浴直後の体温が高い状態の方が

筋肉の柔軟性回復 関節可動域の向上 身体のバランスを正常に戻す

の効果を出しやすく、

ゆっくり気持ちよく伸ばせる範囲で
(強くやりすぎると効果も出ないし興奮状態が収まらない)
しっかり呼吸しながら

やることが重要になります。

またストレッチやマッサージで緊張や疲労を取るだけでなく、
たくさん使って機能低下している部分には軽めの補強トレーニングを入れて
刺激で機能低下を予防しておくことも有効です❕

水分・栄養補給

運動直後にも補食は取っていますが、もちろん家に帰ってからもしっかり食事をとりましょう❕
これまでの過程でいくら回復するための準備をしても、
材料が体内にしっかりなければ回復しようがありません。
ポイントは

まずは糖質をしっかりとること(米・パン・麺類・果物・砂糖 など)
運動で消費したグリコーゲン(筋肉や内臓の働きのエネルギー源)が体内に十分に無いと、
 他の栄養素をいくら身体に入れても回復しません❕


筋肉の原料であるタンパク質を同時に取る(肉・魚・乳製品 など)

水分補給について、運動の前後で体重を量り
 運動前の体重 ー 運動後の体重 × 1.5㎖

 程度の補給が望ましい。(この体重減少が3%を超えないように運動中の水分補給を行う)

タンパク質の補食に関して最近注目しているのが、
知人のトレーナーの西川 匠(@physio_tennis)さん が提供している
鰹BAR for Sports

https://twitter.com/kawasuke_at/status/1613700253601116160

肉や乳製品はコンビニなどでも気軽に手に入りますが、魚って意外と気軽に食べられるものないですよね?
魚だとタンパク質はもちろんの事、鉄分やビタミンも豊富なのでリカバリーにもってこいです❕

睡眠

人間は睡眠中にホルモンや副交感神経の働きで 
組織の修復 疲労(肉体・精神)の回復
の働きが活発になります。そのため
睡眠がしっかり取れていないと、
どれだけ起きている時に良い回復の準備をしても意味がありません❕ 

また睡眠中に脳でその日行った練習や動きの情報の整理が行われるので、
運動の上達にも睡眠が必要になります❕
睡眠時間を削って練習しても身体の負担になるばかりか
折角の練習も意味が薄れてしまいます

ポイントは

8.5~9.5時間睡眠(一般の推奨時間 7~9時間より多め)
寝る2時間前からブルーライト(スマホ・テレビ・パソコン など)を避け
 しっかり部屋を暗くする
食事と就寝までの時間を空ける(3時間前後)
寝付けない時は ゆっくり深呼吸 ストレッチ 温かい飲み物を飲む などして
 出来るだけリラックスした状態を作り、とにかく目をつぶってみる

まとめ

いかがだったでしょうか?
もちろん全てを完璧にこなすことは出来ないかもしれません。
しかし睡眠や入浴・栄養補給など、特別な事ではなく
   普段の生活の中でちょっと気を付ければ出来る事もあります。
まずはそこから取り組んでみましょう❕

また大会が近くなったり、プレーがうまくいかないと睡眠時間を削ったりして練習する
「休むのが下手な人」の話を良く見聞きしますが、
今回学んでもらったように
身体のコンディションを整え練習の質を高めるためには、
練習後こそやるべきことが沢山あります。

これを削って練習しても身体の負担になるばかりか、練習やプレーの質が下がり
折角頑張って練習やトレーニングをしても成果に繋がらなくなってしまいます。


競技レベルの高い人や上手い人ほどこの時間を大切にしています。
休養やリカバリーも自分のパフォーマンスを高めるトレーニング
と思って、しっかり取り組みましょう❕

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この記事を書いた人

岩手県出身/
「トップアスリートの当たり前」を「みんなの当たり前」に
スポーツ科学を基に、ケガ予防・コンディション作りのための知識からエクササイズまで発信します❗

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