スポーツ現場での緊急事態への備え~より安全にスポーツを行うための準備~

「アスレティックトレーナーズルーム BASE」代表の須川 雄介(すかわ ゆうすけ)
です。
このブログでは、スポーツ現場で選手のコンディションを総合的にサポートする
”アスレティックトレーナー”が、アスリートや運動愛好家、またそのご家族や指導者の方々に役立つ情報を発信していきます!

第15回は、
スポーツ現場における安全管理
について解説します!

目次

はじめに

この記事を書き始めた当日、こんなニュースが入ってきました

このように、スポーツにはケガが付き物です。
場合によっては命にかかわるような事態が起きてしまう事もありえます。


ところで皆さんが普段スポーツや運動をしている環境では、そういった
事故やケガへの備えは十分に出来ているでしょうか?
トレーナーがサポートしているチームや規模の大きな大会では、
EAP( Emergency Action Plan )といって
緊急時の対応マニュアルがあらかじめ決めてあったり
AEDやストレッチャーなどの機材が準備してあります。
一方特に学生スポーツなどでは、そういった準備が普段はされておらず、
保護者や指導者、場合によっては選手同士で臨機応変に対応しなければならない状況も見受けられます。

本来であれば
全ての現場にトレーナーなどの救急対応の専門的な知識・技術を持った人がいる
のが理想です。
しかしそれを今すぐに実現するのは中々難しいので、


事故やケガが発生した時にどうすべきか事前に計画しておくこと

必要最低限の応急処置を学び、少しでも早く専門家に引き渡すこと

がスタートラインになります。
事故やケガが起きてから後悔しても遅くなってしまいます。
しっかり備えておきましょう❕

ちなみに私は普段、Spolink JAPAN さま の スポーツ傷害への対応マニュアル を参考にさせていただいています。
今回の内容も一部こちらの内容を参考にさせていただいております。
専門家向けのものと一般向けの分かりやすいものがそれぞれあって非常に使いやすいので、
ぜひチームや施設で印刷して持っておくといいですよ❕

事故やケガが発生した時にどうすべきか事前に計画しておくこと

これは事前の準備ですね。1つ1つ確認していきましょう❕

役割分担を決めておく

普段は大丈夫と思っていても、いざ目の前で選手が痛がっていたり出血していたりすると、
パニックになって何をすればよいか分からなくなるものです。

正直自分も大ケガを目の前にすると緊張してしまいます。それでも対応できるのは、
事前に何をすべきかを準備・整理しているからです。

また対応する人が複数人いたり、逆に応急処置できる人が一人しかおらず他の人が補助する場合、
誰が何をするのかその場で決めていては時間のロスになってしまいます。
少しでも早く救急処置をして病院などに搬送するために、
事故・ケガが発生した時にある程度誰がどのような役割を担うのか決めておく
とスムーズです。

例えば先日までサポートしていた高校の野球部では、

ケガの対処、病院への付き添いトレーナー(自分)
通報、関係者への連絡     ⇒顧問
搬送車両の誘導        ⇒一緒に練習していた同ポジションの選手

という風に役割分担していました。これはもちろんそれぞれの状況によって変わってくると思うので、
いかに早く対応し始められるか
を念頭に話し合ってみてください❕

機材の場所を把握しておく

画像ではAEDとなっているが、他にも担架や応急処置で使う固定具や毛布なども当てはまります。
これらの物資を探す時間が掛かってしまうと、応急処置を始めるまでの時間のロスになってしまう
特にAEDは、時間が経てばたつほど救命率が下がってしまうため、
2分以内に持ってこられるのが望ましいです。
また事故が発生した場所から遠かったり使用できない場合も考慮して、可能であれば
地図付きで複数確認しておくことが必要になります。

通報・搬送に必要な情報を確認しておく

救急車の要請や病院への搬送が必要だと判断した場合、
選手がいる場所や救急処置している場所が車がすぐ入ってこられる場所であれば良いですが、
そうでなければ
①救急車・搬送車に近くまで来てもらう
②ケガ人を救急車・搬送車の近くまで搬送する
ことになります。
しかし問題になるパターンとして、

・学校や運動施設など、駐車場や出入口から競技場が離れている
・競技場までのルート・建物・グラウンドの場所が分かりづらい
・競技場の近くまで車が入れるルートが無い

という場合があります。
そこで、

車が入れるのか? 入るとしたらどういうルートで入ってくるのか? 

ルートの中で迷いやすい・間違えやすいポイントはどこで、誰をそこに誘導に行かせるか?

車が入れないならどこまでどうやってケガ人を運ばなければならないのか?

という事を事前にシミュレーションしておく必要があります。

また、通報が必要になった場合に備えて、

グラウンド・施設の名前 住所 

何を伝えるべきか(ケガ人の氏名・年齢・生年月日・血液型・ケガの経緯・現在の状態 など)

すぐに出せるようにまとめておくことも必要です

近くの医療機関をリストアップしておく

救急車で搬送する場合は救急隊の方で病院を探してくれますが、
自分たちで病院に連れていく場合はどこの病院に連れていくかを探さなければなりません。
しかし、

・休診日
・診療自体はやっているが、受診したい科の専門医がいない

という問題が発生する場合があります。そのため、

病院名 診療科目 電話番号 診療時間 休診日

をリストアップしておき、万が一最初の病院に受診できなくてもすぐ次の候補が出てくるように
しておく必要があります。

ちなみにケガの種類と受診する科の一覧をSpolink JAPAN さまでまとめてくださっているので
こちらも参考にしてみてください❕

ここまでの一連の内容を、Spolink JAPAN さまのHPでマニュアルとしてまとめてくださっています。
全て埋めてみましょう❕

必要最低限の応急処置を学び、少しでも早く専門家に引き渡すこと

基本的に事故やケガが発生した際には、
迷ったら救急車を呼ぶ もしくは 病院に連れて行く 
事を考えましょう。
その場で症状が出ていなかったり、選手本人が大丈夫と言っていても
時間が経ってから症状が重篤化して出てくる場合もあります。

病院に行って「異常が無かったという診断を受けた」というのも貴重な情報です。
大げさだと思ってもまずは医師の診断を受ける事を最優先に考えましょう。

どうしても判断がつかない時には、
電話で医師などに「すぐに病院に行った方がよいか」「救急車を呼ぶべきか」を相談できる
「救急安心センター」#7119という電話番号もあります。

とにかく安易な自己判断はせず、専門家に確認してもらいましょう❕

ただし専門家に引き渡すまでの間、その場でできる応急処置・救急対応をしておく必要があります。

特に 心肺蘇生法(CPR) や AED など命にかかわる症状への対応は1分1秒を争うため、
出来るだけ多くの人が出来るようにしておきたいものです。

他にも固定法 止血法 搬送法 などは訓練しておきたい手法です。

これらのやり方は様々な組織が講習会や練習会を行っていますが、
一番身近なところでいうと 日本赤十字社 や 消防署 でしょうか

これらは知識として持っているだけでなく、実際にやってみないと身につかないものです。
ぜひ講習会などにも参加してみましょう❕

また前述したSpolink JAPAN さまのマニュアルも参考にして、少しでも早く適切な処置を行えるようにしましょう❕

まとめ

さて、自分やお子さんがプレーしている環境、指導している環境でこれらの準備はキチンと出来ていたでしょうか?
最初に述べたように、本来であれば
全ての現場にトレーナーなどの救急対応の専門的な知識・技術を持った人がいる
のが理想ですし、私もそうなるように活動していきます。
しかし現状では、その場にいる選手・保護者・指導者の皆様がその役割を担わなければならないのが現状です。
大げさに感じる方もいるかもしれませんが、
適切な処置が行われず後遺症が残ったり命を落としてからでは遅いのです。
ぜひ一度振り返って、より安全にスポーツに打ち込めるような環境を作れるようにみんなで話し合ってみてください❕

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この記事を書いた人

岩手県出身/
「トップアスリートの当たり前」を「みんなの当たり前」に
スポーツ科学を基に、ケガ予防・コンディション作りのための知識からエクササイズまで発信します❗

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