アスレティックトレーナーズルーム BASE」代表の須川 雄介(すかわ ゆうすけ)
です。
このブログでは、スポーツ現場で選手のコンディションを総合的にサポートする
”アスレティックトレーナー”が、アスリートや運動愛好家、またそのご家族や指導者の方々に役立つ情報を発信していきます!
第16回は、
病院で受ける画像診断
について解説します!
それぞれの違いって分かってますか?
運動やスポーツをしていてケガの経験がある方は、一度は受けた事があると思います。
しかし それぞれの違い や 何を検査出来るか を知っていますか?
もちろん どんな疾患を疑って どんな検査をするのか を判断するのは
医師の仕事です。
しかし治療や診察の話を聞いていると、
これは画像での診断をきちんとしてもらった方が良いな…
レントゲンを撮ってきてるけど、MRIでの検査もした方が良いんじゃないかな…
ということも度々あります。以前こちらの記事でもご紹介しましたが、
病院を受診する時やセカンドオピニオンなどが必要になった時に
これを理解しておくと考えやすいです❕
一つ一つ見ていきましょう❕
注意
※今回は「ケガ」に対しての話です。
それ以外の疾患では検査の対象や方法が異なる場合があります❕
また個人の見解が含まれます。
医師から異なる説明を受けた場合は、そちらを参考にしてください
レントゲン(X線)検査
X線を用いて「骨」の撮影
⇒骨や関節の疾患に対しての診断で最初に行われます。
ここでよくあるのが、
レントゲンを撮って「ヘルニア」って言われました…
という話。
骨以外の組織も確認は出来るがぼんやりとしか映らないので、
「何か異常があるかも?」という推測までしか出来ない場合が多い です。
そのためレントゲンを撮ってそのような診断を受けた場合には、
後述するようにMRIなどで再検査した方が確実です。
また骨折を疑ってレントゲン撮影をした際、
受傷直後だと実際には骨折があっても周囲の炎症に隠れてきちんと映らない
場合があります。
「骨に異常はない」という診断を受けて数日経っても痛みや症状が改善しない場合は、
再度診察を受けた方が良いでしょう。
CT検査
X線を多方向から当てて「骨」の画像をコンピューターで再現
⇒脊柱や関節など構造の複雑な部位の診断に使われることが多い
レントゲン撮影では、一度に1方向からの画像しかとることが出来ません。
大きい骨(足・腕など)であればそれでも十分ですが、
関節や脊柱など構造が複雑な部位を確認するために
一度に多方向からX線を当ててコンピューター解析し、
人体を輪切りにしたような断面画像や立体的なイメージ画像を撮る
事が出来ます。
ただしレントゲンと同じく骨以外の組織はぼんやりとしか映らないため、
椎間板ヘルニアなど骨以外の部位の疾患は断定できません。
また、一度に多方向からX線を当てるため
放射線被ばく量がレントゲンより多くなってしまう
という問題もあるため、
妊娠中や体内に金属・ペースメーカーなどがある
場合は実施できません
MRI検査
電磁波を当てて「骨以外も含めたあらゆる組織」の画像をコンピューターで再現
⇒骨・軟骨・靭帯・腱・脊髄・椎間板など幅広い診断に使われる
X線ではなく電磁波を用いてコンピューター解析と組み合わせ、
CTのような人体を輪切りにしたような断面画像や立体的なイメージ画像を
骨以外の組織も鮮明に 写すことが出来ます。
※掲載許可済み
ただ撮影に時間が掛かる・高価という問題点もあります。
また全ての整形外科に置いてあるわけではなく、撮影するために
近隣の整形外科を受診 ➔ MRIが無いため紹介状を書いてもらう ➔
MRIのある大きな病院を受診 ➔ MRIを別日に予約 ➔ 別の日にMRI撮影・再度診察
エコー(超音波)検査
超音波が臓器や組織の境界で反射することを利用
⇒組織の形(骨折や断裂・筋の厚さなど)や働き(筋の収縮の有無など)を確認
ケガの他に産婦人科などのイメージがあると思いますが、
その場ですぐに状態を確認することが出来、
また他の検査と違って
内部の組織の動きを直接確認することが出来るのがメリット
また他の検査に比べても短時間・安価に行えることも利点になります。
ただし超音波が骨や空気を透過できないため、
それらがかぶっている部分のさらに奥は確認できません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
これはどの検査が良い・悪いという事ではなく、
それぞれに得意分野とメリット・デメリットがあるという事を認識してほしいです。
最初に言ったように、どの検査をするのか最終判断するのは医師の仕事です。しかし
・疾患がはっきり分からない時
・症状の改善が中々見られない時
に、本当に必要な検査が出来ているか?セカンドオピニオンを受けるべきか?
を考える判断材料の一つにはなるかと思います。ぜひ参考にしてみてください❕
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