「アスレティックトレーナーズルーム BASE」代表の須川 雄介(すかわ ゆうすけ)です。
このブログでは、スポーツ現場で選手のコンディションを総合的にサポートする”アスレティックトレーナー”が、アスリートや運動愛好家、またそのご家族や指導者の方々に役立つ情報を発信していきます!
第4回の今回も、
スポーツ現場における正しい競技復帰の流れ
について解説します!
トップアスリートの現場における復帰の流れ
特にトップアスリートの現場やトレーナーのサポートがある環境では、ケガをした後このような役割分担で競技復帰を目指していきますが、今回はその中でも医師の診断が出た後、日常生活レベルに戻るまでの段階について解説します!
症状が重く、手術・入院などが必要な場合
入院や手術・安静固定が必要な重篤な症状の場合は、まず医師が治療の方針・計画を患者本人やご家族の同意を得たうえで決めていき、手術・固定・投薬治療などを行います。
この際患部や全身の安静・固定により、どうしても筋力や可動域、持久力、負荷への耐性などが患部だけでなく全身的に低下してしまいます。そうすると、普段の身体のコンディションであれば何ともない動きや負荷も大きな負担となり、新たなケガや不調の原因となる可能性が高まります。
そこで理学療法士(PT)や柔道整復師が医師の指示のもと連携を取りながら
「日常生活に戻るためのリハビリ」(メディカルリハビリテーション)
を行います。具体的には機械治療や運動療法・手技治療などにより、
メディカルリハビリテーション
・痛みや腫れ・筋委縮の軽減
・日常生活に必要な関節の可動域・安定性・筋力の改善
・立つ、歩く、座る、起き上がるなどの基本動作訓練
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日常生活の動作に支障がない状態に戻す
を行います。しかしスポーツや運動をする場合は日常生活レベル以上の負荷がかかるため、
メディカルリハビリテーションでは不十分な場合があります。そのため我々アスレティックトレーナーなどが
「運動・スポーツに復帰するためのリハビリ」(アスレティックリハビリテーション)
を行います。
アスレティックリハビリテーション
・身体の機能評価をして、そのケガや症状の原因となった問題点の抽出、改善
(筋力・可動域・持久力・反応・身体の使い方 など)
・スポーツや運動の負荷に耐えうる関節可動域・安定性・筋力の改善
・実際の競技の負荷に段階的に近づけて身体をプレーできる状態に戻す
この過程は次回詳しく説明します。
症状が軽く、日常生活には支障がない場合
もちろん全てのケガや不調に対してメディカルリハビリテーションが必要なわけではありません。軽めの捻挫など、
日常生活を送る上では問題ない、しかしスポーツや運動の動作には痛みや不調を伴う
場合は、最初からアスレティックリハビリテーションから開始します。
このアプローチが軽視されがちですが、非常に重要なポイントです。
その時の症状が軽度でも、原因となる筋力・可動域・持久力・反応・身体の使い方などの問題は後々の大きなケガのリスクになります。
また軽傷だからと言ってきちんとしたリハビリや処置をしないでいると、患部の状態がきちんと治癒せず症状の長期化や繰り返し、他のケガの原因となったりします。(捻挫グセ、肉離れグセ、ぎっくり腰の繰り返し など)
症状の重い・軽いに関わらず、一度はきちんと専門家に相談することが必要です。
まとめ
今回は、ケガの診断が出てから日常生活に戻るまでの流れ(メディカルリハビリテーション)について解説しました。日常生活に戻るだけならこれで十分ですが、あなたが運動やスポーツを続けていくのであればこれだけでは不十分です。その時に必要なのが、次回ご紹介するアスレティックリハビリテーションです。ぜひ合わせて読んでみてください!
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