「アスレティックトレーナーズルーム BASE」代表の須川 雄介(すかわ ゆうすけ)です。
このブログでは、スポーツ現場で選手のコンディションを総合的にサポートする”アスレティックトレーナー”が、アスリートや運動愛好家、またそのご家族や指導者の方々に役立つ情報を発信していきます!
第6回の今回は、前回の記事の内容を踏まえて
具体的なアスレティックリハビリテーションの流れ
について解説します!
トップアスリートの現場における復帰の流れ
特にトップアスリートの現場やトレーナーのサポートがある環境では、ケガをした後このような役割分担で競技復帰を目指していきますが、今回はその中でも日常生活レベルから運動・スポーツに戻るまでの段階について解説します!
具体的なアスレティックリハビリテーションの流れ
前回の記事で、そもそも何故アスレティックリハビリテーションが必要なのか?という事についてお話しましたが、
以上を踏まえたうえで、具体的なアスレティックリハビリテーションの流れを見ていきましょう❕
ちなみに一部メディカルリハビリテーションと被る内容が出てきますが、この2つは同時並行して行う場合も多いためと理解してください。今回は特に最初の段階「保護期」「訓練前期」までについて解説します❕
機能評価・リハビリプログラム作成
医師の診断を基にさらに細かく患部や身体の状態・動きをチェックし、
「何故そのケガが発生してしまったのか?」
「何を改善したら素早く復帰・再発予防が出来るのか?」
という問題点を抽出して計画を立てていきます。例えば、
アクシデント(ぶつかった、倒された、当たったなど)
⇒患部や全身を安静にして患部の炎症や損傷が収まった後、
低下した筋力や柔軟性・持久力・反応などを元の状態に戻す
オーバーユース(使いすぎ、練習・トレーニングのしすぎ)
⇒練習・トレーニングの内容や頻度の修正
繰り返しの負荷に対応できるようにトレーニング
ミスユース(間違った身体の使い方、負担の掛かりやすい動き)
⇒身体の使い方・フォームの修正。どこかの部位が弱かったり上手く使えて
いないと、代わりに他の部分が動きや負担を肩代わりしなければいけなくなるので、
正しく負担を分散できるように身体の使い方や動きのトレーニング
といった方向性が立てられます
※あくまで一例です。
オーバーユースとミスユースが同時に起こっていたり、
アクシデントによるケガでもオーバーユースやミスユースによって、本来ケガまで至らないはずの負担でケガした
場合もあり、それぞれの状態を総合的に考えてコンディションの改善が必要。
保護期
病院や治療院での処置とほぼ同様ですが、
腫れ・痛み・筋委縮など患部の状態の改善 テーピングやサポーターによる安静・固定を行い、
患部の損傷や炎症が運動を再開できるレベルに回復するようなアプローチを行います。
またこの時期に大事なのが患部以外のトレーニング。
患部は回復のため安静が避けられなくても、他の部位まで休ませてしまうと健康な部位まで体力の低下が起きてスムーズな復帰の妨げになったり他のケガや不調の原因になります。もちろん身体の状況によっては難しい場合もありますが、出来る限り患部に負担の掛からない範囲で行っていきます。
訓練前期
患部が運動を再開しても良い状態になったと医師が判断したら、段階的ににリハビリテーションをしていきます。
ここで大事なのは「医師が判断したら」「段階的に」という事です。前回の記事で説明したように、
ここを疎かにして「自己判断で」「急激に負荷を掛けたり、いきなり練習に戻る」という事をすると
ケガや症状の再発に繋がります。
「段階的に」という部分に関しては負荷や量ももちろんですが、動きについても同様です。実際には
部位ごとの筋力や可動域・動きを改善
➔複数の部位を同時に連動させて動かすトレーニング
というステップを踏みます。
何故かというと、運動・スポーツの動きはあらゆる部位の動きが組み合わさったものであるため、
・弱い部位や関節があると、かばう動きが出たり(代償動作)他の部位に負担が余計に掛かる
・各部位の状態が良くても、それを組み合わせて効率的に使えなければ無理が生じて負担が掛かる
となるからです。身体の中でも、
負傷した部位やその動きや負担に関連する部位をパーツとしてリハビリする
イメージですね。
まとめ
今回は、アスレティックリハビリテーションの最初の段階について説明しました❕
次回はさらにレベルが上がって、実際に運動やスポーツに復帰するまでの段階を解説します。
ぜひ参考にしてみてください❕